築地と銀座でパーソナルジム2店舗を経営しています、リオールジム代表の奥松です。

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HYROX(ハイロックス)のタイムを縮めるうえで「最も重要なファクター」とは何でしょうか?

 

最重要ファクターは「持久力」

HYROXのタイムを左右する最大の要因は

持久力です。

ハイロックスは筋トレ種目(ステーション)やランニングがありますが、競技時間や種目特性を考慮すると、圧倒的に重要な要素は「持久力」になります。この点は、議論の余地が無いくらい、持久力は超重要です。

 

持久力が筋トレよりも大事な理由

例1:競技時間の50~60%はランニング

ハイロックスの約半分はランニングです。ロックスゾーンも含めれば試合全体の60%はランニングとなります。ステーション(筋トレ)の時間は全体の40%ほどで、ウォールボールやバーピージャンプなど有酸素性の体力が求められるステーションもあることを踏まえると、持久力の重要性は筋トレよりも高くなります。

 

例2:持久力が高い人はランニングも速い

下記のグラフは持久力の国際指標であるVO2max(最大酸素摂取量)と、5キロのランニングタイムの関連を示しています。持久力が高い人は5キロのタイムが少ない(速い)傾向にあり、相関係数は-0.89と非常に強い相関を表しています。

(Br J Sports Med, 1987, PMID: 3620806)

 

例3:ランニングは簡単に1分削れる

ハイロックス本番のペースを1kmあたり6分から5分ペースに改善した場合、1kmあたり1分短縮のため、合計8分短縮することができます。完走タイムを8分短縮することは非常に大きい成果ですし、1kmあたりのランニング速度を6分から5分ペースにすることは多くの人にとって、現実味のある改善幅です。

 

例4:ステーションで1分削るのは難しい

ファーマーズキャリーを3分から2分に縮めようとすると、ランニング以上に大きな労力を伴います。ファーマーズキャリーをやったことがある方はよく分かると思いますが、 1分短縮することは非常に難易度が高いです。

1分縮めようとすると、そこでフルパワーを出し切ってしまい、その次のランニングに大きな支障が出ます。ステーションで頑張りすぎると結果的に完走タイムが遅くなる可能性が高まります。

まずはランニングを改善する方が圧倒的に効率的です。

 

VO2maxとは?

学術的に持久力を表す代表的な指標がVO2max(最大酸素摂取量)です。

↑VO2max測定の様子@リオールジム

VO2maxとは、1分間に体がどれだけ酸素を取り込めるかを示す値で、マラソンや持久系種目のタイムと強い相関があります。VO2maxが高い選手は持久系種目が得意な傾向にあり、5キロのランニングのタイムの大部分はVO2maxで説明できるという研究もあるほどです。

VO2maxは持久力の国際的なゴールドスタンダードな指標で様々なスポーツ現場でも広く活用されています。

 

補足:HYROXの論文でも「持久力が最重要」

HYROXに特化した論文は、現時点でまだ2本しか出ていません。

Acute physiological responses and performance determinants in Hyrox© – a new running-focused high intensity functional fitness trend - PMCpmc.ncbi.nlm.nih.gov (外部サイトを新しいタブで開きます)

↑論文のリンク

論文が少ないため、結論付けるのは難しいのですが、上記の論文ではハイロックスの成績と最も強く関連したのはVO2max(持久力)でした。

これは競技構造を考えれば、合理的な結果と言えます。ハイロックスは競技中の55~60%はランニングのため、VO2max(持久力)が高い選手が有利になります。

 

まとめ

① 持久力が非常に重要

② ハイロックスは50~60%がランニング

③ ランニングで8分は短縮しやすいが、筋トレだと難しい

奥松功基(スポーツ医学博士)のプロフィール写真
執筆・編集奥松功基(スポーツ医学博士)

筑波大学でスポーツ医学の博士号を取得。カヌー競技で国体優勝。専門は運動腫瘍学・健康増進・ダイエット。学術論文6本、学会発表20件以上。NHK・読売新聞出演。医学出版社から本出版。ハイロックスのベストは72分。