築地と銀座でパーソナルジム2店舗を経営しています、リオールジム代表の奥松です。
筋トレは自信があるのに、HYROX本番ではタイムが遅かった、、と失敗するのはなぜでしょうか?
「筋力には自信があるから、HYROXでも速く走れるはず!」
そう思っていても、意外なことに、レースでは思ったような結果を出せないことがあります。
もちろん、HYROXでは筋力が必要です。スレッドプッシュやスレッドプル、ファーマーズキャリーでは、筋力が大きな武器になります。
しかし、HYROXは筋トレの大会ではありません。
筋力が強くても、競技の構造を理解せずに練習すると、得意なはずのステーションで頑張りすぎて、レース全体ではタイムを失ってしまいます。
理由1:筋力よりも持久力が重要

HYROXは、1kmのランニングとワークアウトステーションを交互に8回繰り返す競技です。
合計8kmを走ります。
先行研究では、HYROXシミュレーションの完走時間に占めるランニングの割合は約60%でした。つまり、レース時間の60%は走っていることになります。
その他のデータでは、ハイロックスの競技時間の56%はランニングだったという報告もあります。
ハイロックスの動画を見ると、スレッド、バーピー、ウォールボールなどの種目が目立ちますし、そのため、HYROX初心者はワークアウトの方が重要だと考えがちです。

しかし、実際にはレースの中心はランニングです。
ランニングが苦手な人は、8回すべてのランで少しずつタイムを失います。さらに、走る時間が長くなるほど疲労も蓄積し、後半のステーションまで苦しくなります。
HYROXは「筋トレの間に少し走る競技」ではありません。
実際は「8kmを走りながら、途中でワークアウトを行う競技」になります。
理由2.ステーションではタイムを稼げない
筋トレが得意な人は、スレッドやファーマーズキャリーでタイムを稼ごうとします。
しかし、ステーションで短縮できる時間は、意外と大きくありません。
例えば、スレッドプッシュを20秒速く終えても、短縮できるのは20秒です。そこで頑張りすぎて次の1kmが30秒遅くなれば、合計では10秒を失います。
一方、ランニングは8回(1km×8)あります。
1km当たり10秒速く走れば、合計で80秒。15秒速くなれば、合計2分の短縮です。
特定のステーションを数十秒速くするよりも、8回のランニングを少しずつ速くする方が、レース全体への影響は大きくなります。
もちろん、スレッドがまったく動かない、ウォールボールで何度も止まる場合は改善が必要です。
しかし、すでに一定水準でステーションをこなせる人が、さらに数秒を削るためにステーションで全力を使うのは効率的とは限りません。
ステーションで勝とうとしすぎる人ほど、ランニングで負けて、トータルタイムでも遅くなります。
理由3.本当は走るべきだが、筋トレの練習をしてしまう
人は、苦手な練習よりも得意な練習を選びたくなります。
筋トレが得意な人は、スクワットやベンチプレス、ローイングの練習を増やすこともしばしばです。また、HYROX対策として、筋トレとランニングを組み合わせたサーキットばかり行うケースもよく見ます。
一方で、純粋なランニング練習は週1回のみというケースも珍しくありません。
しかし、レース時間の約50%がランニングであるなら、練習時間もそれに見合った配分にする必要があります。
すでに十分な筋力がある人に必要なのは、さらに重い重量を持ち上げることではありません。
ハイロックスで真に大事なことは「一定ペースで走り続ける力(乳酸閾値)」の土台を高めることです。
筋トレを減らすことに不安を感じるかもしれません。
しかし、HYROXでタイムを短縮するためには、得意な筋トレを続けるより、ランニングを改善した方が効率が良いのも確かです。
筋力は大きな武器となりますが、その武器を磨くことばかりに集中してランニングを軽視すると、HYROXではむしろ弱点になりかねません。
「ハイロックス」は圧倒的な有酸素種目であり、有酸素運動の試合の中に「一部の筋トレ種目がある」という認識に切り替えることで更なるタイム短縮が期待できます。
まとめ
① 筋力よりも持久力が重要
② ステーションではタイムを稼げない
③ ハイロックスは圧倒的に有酸素運動のレース

筑波大学でスポーツ医学の博士号を取得。カヌー競技で国体優勝。専門は運動腫瘍学・健康増進・ダイエット。学術論文6本、医学出版社から本出版。ハイロックスのベストは72分。







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